月日の経つのは本当に早いもので私が代表取締役社長に就任してから1年が経ちました。
就任時はコロナ禍でほぼ全員リモートワークだったため、出社しても社員とはなかなか顔をあわすこともなく、
言葉を交わすのもオンラインがほとんどでしたので寂しさを感じることもありましたが、1年もたつと慣れてしまいました。
そしてオンラインで映像を映しながら会話するのもあまり抵抗なくできるようになってきました。
ビデオ通話自体はずいぶんと前からありましたが、顔を出して電話するというのはなぜか恥ずかしさもあって、
抵抗感がありました。なかなか利用が普及しなかったのもそういうところに原因があったように思います。
しかし、外出ができずに家にこもっていることを強要されたことも一因でしょうか、
オンラインでのコミュニケーションが普通になり、慣れてくるとむしろメリットを享受する方が多いように感じるようになりました。
移動しなくてもいいので人と簡単に会うことができます。距離が離れていても関係ありません。
連続してたくさんのミーティングもこなせます。
まさに食わず嫌いだったのでしょう。
問題はコミュニケーションツールであったため、みんながよいと思わないと広まらないわけですが、
コロナ禍がその課題を克服し、心理的にガードがかかってできなかったイノベーションが起きてしまいました。
人の心理というのは面白いものです。
おそらくコミュニケーションに飢えてきたこともあったのでしょう。
きっかけ次第ではこのようにこれまであったものが急激に普及してイノベーションが起こることがあるというよい事例だと思います。
まだまだ埋もれていたり、よいものなのに心理的なバイアスが原因で起こせていないイノベーションもありそうです。
弊社では現在AIやドローンなどの新しい技術にも取り組んでいますが、やはりこれらは世の中の役に立てられなければ意味がないと思っています。
そこにはやはりユーザ視点が大事ですし、技術を磨くだけではなく、利用に際し生じる心理的な障壁を取り除くといったことも必要です。
既成概念にとらわれず、私たちの生活をいかに豊かに便利にできるのかということを目指して、あらゆる角度からアプローチし続けることが大切なのだと学びました。
この学びを活かしてさらなるイノベーションを起こし、社会に貢献していけるように様々なチャレンジに日々取り組んでまいります。
2021年8月
株式会社KDDIテクノロジー
代表取締役社長